呟くようにそう言った
 祖母の横顔 優しくて

子供心にその風鈴は 
 大事な宝物に見えた

私もそれを窓辺に飾り
 指でそっと揺らしてみると

祖母の優しい笑顔のような
 澄んだ音色を響かせた

私も音色にほほえみかけると
 風鈴の後ろに黄昏の空
 
初夏の風が吹く頃に
 思い出すのは祖母の笑顔
 
今頃祖母は あの空の上
祖父と幸せに 過ごしてる
祖母の風鈴

夏の初めに届いた荷物は
 和紙に大事に包まれていた

包みをそっと解いてみると
 硝子の風鈴 顔を出した

冬の終わりに
 祖父の処へ旅だった
私の大好きな
 祖母の遺品

祖母は毎年窓辺に飾り
 静かな音を楽しんでいだ

金魚模様の 古びたガラスは
 日差しを受けて 輝いて 

手にとり、そっと揺らしてみると
 澄んだ 涼しい 音奏で

“これはね 昔おじいちゃんが
 夏祭りで買ってくれたのよ”