「タイムカプセル」

秋風と共に届いた一通の手紙
あの町を離れてずいぶん経つのに...
まさに風の便りだね

見なれた名前の差出人
力強い文字が、躍っている

「みらいの ぼくへ
 どこに いますか
 うちゅうに いきましたか
 テレビでんわは ありますか
 ぼくは うちゅうひこうしに なりたいです」

七色の宇宙船が飛び立ち
銀色のリニアモーターカーが颯爽と走る街
テレビ電話で会話する「みらいの ぼく」
力強いクレヨンの絵

今 僕が居るのは
灰色のビルが空を目指す街
銀色の電車が 毎朝人の波を吐き出す
リニアモーターカーなら もっと楽なのかな
それとも もっと大変なのかな

宇宙飛行士にはなれなかったけど
仕事はそれなりに楽しいよ

ポケットの中の電話で
世界のどことでも繋がる
でもいつも隣にいる人のことでさえ
分かってあげられなかった
TV電話 今の僕には要らないかな

あまり颯爽としてない未来
だけどそんなに悪くもなく
淡々と日々が過ぎるのだろう これからも

未来の街をドライブしようか
七色の宇宙船は無いけど
黄色いロードスターの幌を上げて

暮れてゆくビルの谷間の空
強い風の向こうに見える
そこは...光の海。

僕たちは今、未来にいる。